25 3月 2014

March comes in like a lion and goes out like a lamb.


玄関のドアを開けると次の瞬間、ふわっと生暖かい空気につつまれる。

「あゝ今年もこの季節が来たんだな」と、ふと緩んだ頬をあわてて引き締め、我に返る。
編み上げた黒のブーツで玄関の敷居をまたぎ、今日も日の当たる外界へと、一歩を踏み出す。

些細な行動のひとつひとつさえ記憶の片隅に残しておきたくなる、愛おしい日々です。


ブログでの報告が遅くなりましたが、先週、無事卒業式を迎えました。
3月20日に、わたしは日本女子大学を卒業しました。
この日に選んだのは、濃緑総柄の小振袖に紫の袴。(あふれ出る生活感に思わず切ったシャッター)

「私ね、ミドリっていう名前なの。それなのに全然緑色が似合わないの。変でしょ?」
緑色をまとう度に思い出すこのくすぐったい台詞をくちずさんで、思わず闊歩した新宿の甲州街道。
ハルキストなんて、まだまだはやい。

その日も、4年間通った日本女子大学は当たり前のような佇まいで私たちを迎えてくれて、
そりゃ、111回も卒業生を送り出してりゃそうだよなー、と肩を持ちつつ、
その一見無関心なような自然に守られた時間を想うと、やはり感謝するしかないみたい。

わたし、日本女子大学がすき、だ。
…というと学友は立地だのなんだの欠点を並べますが(笑)、
そんなことはどうでもいいと思えるくらいに、サッパリあっさり「すき、だ」と認めてしまう。
それくらい、わたしはこの4年間で変わりました。だからこれは感謝をこめての「すき、だ」。

変わらず悩める葦であるものの、4年前と比べて、ずいぶんと呼吸がしやすくなりました。
どこまでも続く空が鼠色だったあのころから、真っ青な世界に連れて行ってくれたのは、
少しずつ軌道をつくってくれた大学の先生だったし、学友だったし、家族でした。

ロンドンで過ごした震災のこと、ブログを始めたこと、写真を始めたこと、演劇に出会ったこと等。
これまでつらつらと書いてきたことは、気付けばすべて学外のことばかりでしたが、
それはなによりも、わたしの根底にここでの学生生活があったから。
興味のあった分野を将来に結び付けてくれてくれたのはこの4年間の学生生活あってこそ。

わたしが4年間で学んだことはふたつあって、
目の前のことに一生懸命になることと、
一生懸命になることがはずかしいことじゃないということ。
自分の時間でそれを分かることが出来たのは、わたしにとってはもはや事件。
なんだか絵本の感想みたいだけど(はずかしくないよ)。

そのなかでも、大学院で扱う内容の論文を書かせてくれたこと、
自殺しないでね?と心配される内容を提出したわたしに、文才があると言い切ってくれたこと。
とてもマイペースで特異な博識研究肌教授でしたが(笑)、
きっと将来、あの一言一言に救われることが多々あるんじゃないかな。


そう、将来です。将来の話をするようになったんだな~~~。なんか、しみじみしちゃう。!


わたしの将来は他の人からどう思われているのかな、すごく興味ある。
ただ、自分の道は誰の道にも代替不可能なものになりそうな気がしています。

本当のおとなの女性になったとき自分がどこでなにをしているのか皆目見当もつかないけれど、
なっていたいのは、すべてを捨て去れるくらい身軽な人でいること。

ひたすら透明な視線でレンズを覗いて、望んだときに手放しに物語を書くことの出来る人。
ざんこくな時の流れや現実世界をぜんぶぜんぶ透明に見たい。写してやりたい。

おとなの重力なんて、ピエロと一緒に跳ねのけるんだ、


月並みな言葉を埋めても仕方ないから、
これからも気抜かず、気負わず、水面下で泳いでいきたい。

20年後に想い出話だけを酒のつまみにする人生なんてまっぴらごめん!
こっちは美味しいビールとトマトジュースを嗜みながら、空の広い世界で呼吸がしたいの。




もうひとつ、心に決めていることは、
肩書がどうなろうと、これからも毒っ気のある可憐さを追い求めていきたいということ。

スターガール・キャラウェイ、君は天然色、それいゆ、ひまわり、天上ウテナ、
スタリオンレーヴ、サマー・フィン、小林緑、軽妙洒脱。

小学生のときから、天然色の人になりたいと思ってた。
そこにいるのにどうもつかみどころがなくて、つかんだ次の瞬間にはスルッと抜けてしまうような、
でもきちんと目に力のある、そんな色を持った人。

事あるごとに「少女漫画の主人公みたい」といってくれる敬愛する女史がいるのだけれど、
ほんとに、こころの底から、ありったけの物語の中で過ごしたい。
きれいごとばかりじゃなくていいし、もちろんお酒も飲んでいたいけれど、
そんな要素以上に、一生懸命生きるヒロインがいい。

物語のハッピーエンドのあと、彼女たちはどこに向かうかな。

空は鼠色、恋は桃色。




そういえばこの数年でいちばん変わったことと言えば、いまの季節、桜が待ち遠しいこと。
桜はなんだかいやだ、と書いたかつての自分のとんがり具合すら、いまはもう愛おしいよ。


3月25日 時岡碧




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